トンゼミ
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ネットショップ経営戦略支援コンサルタント トンゼミCEO 一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会 理事

第145回 実店舗のダイナミックプライシングを駆使したネットショップへの逆襲

Uberを利用していると、同じエリア内で多くの利用客が同時に配車をリクエストしている場合に、料金が通常よりも高くなることがあります。
 
こんな場合利用者は対応可能なドライバーの人数が増えるまでしばらく待機するか、割増料金を支払って必要なときに配車を依頼するかを選択することになりますが、これはUber側が荒天、ラッシュ アワー、特別なイベントなどの要因により、通常よりも多くの乗客が同時に配車リクエストをする場合、車両の台数が足りず、すべての配車リクエストに対応できないため、配車リクエストが確実に受け付けられるようにするため、料金を高く設定する仕組みに起因するものです。
これはピーク料金と呼ばれ、信頼できるサービスを継続的に提供するためのシステムであるとUber側は説明をしています。
 

 
ピーク料金が発生している場合、通常料金に対して1.8倍、2.5倍などのピーク倍率がマップ上に表示されます。
この数字は開始料金の割増率を表していて、たとえば通常料金を1,000円とした場合、ピーク倍率が 1.8倍のときの料金は1,800円になります。
料金は需要に基づいてリアルタイムで変更されるため、ピーク料金は短時間で変動しています。また、ピーク料金は同じ都市でもエリアによって異なり、近隣でピーク料金が発生していても、同時に他のエリアでピーク料金が発生しているとは限りません。
マップ上のピーク料金は、あくまでもその地域で乗客が Uber アプリを使用した場合に適用される料金を示していて、ピーク料金の金額は、ドライバーの現在位置ではなく、乗客の現在位置に基づいて決まっています。
 
こういった料金変動は、航空大手JALやANAでも2020年をめどに、旅行会社向け割り引き航空券を、予測残席数に応じた変動料金制に移行する方針を固めています。
これにより旅行会社では募集型企画旅行などが鮮魚市場と同様に仕入れが「時価」となり、価格入りパンフレットを作成しづらくなるという現象が起こることになり従来の店舗やパンフレットを通じて旅行商品を販売する旅行会社のビジネスモデルは大きな転機を迎えていると言えます。
 
こういった供給や需要を見て価格を変動させる手法は、ダイナミックプライシングと言われ、1980年代から米国ではホテルや航空券のように供給量に制限のあるサービス業で売れ残りを防ぐ手段として浸透し、近年ではアマゾンドットコムが活用していて、アメリカのデジタル技術の進展に伴い商品を外部から仕入れて販売する従来型の小売業でもきめ細かく価格設定するようになってきています。
 
日本の家電量販店では、顧客は競合他店やAmazonの価格をチェックし店頭価格を確認しています。そのため店側は1日に複数回が新しい価格をプリンターで印刷して商品棚に張る作業をしている現状があり、価格の変化が激しい週末などは店員総出で多くの時間を費やして行う作業量となっています。
 
そこに現れたのが「電子棚札」
 

 
「電子棚札」は無線通信によって商品の価格や商品情報在庫状況等をリアルタイムで表示することが可能な仕組みで、これまで紙の値札を入れ替えてネット通販などと競争してきた家電量販店では「電子棚札」の導入でより頻繁に値付けの変更が可能になる企業側収益機会の拡大に加え人手不足家で値札を付け替える作業の手間が省けるメリットが生まれ、他の業態でも導入を探る動きが広がりドラッグストアなどでも「電子棚札」が導入されることと思われます。
 
「電子棚札」を導入したダイナミックプライシングは「ノジマ」や「ビックカメラ」などでも実装されるとされ、緻密なデータ分析をもとに柔軟に値段を下げ上げ下げして、消費者にとっても価格面でも選択の幅が広がる一方、価格が高い時に買う可能性もあり見極めが必要になってきます。
 
消費者が価格面で得をするかどうかは商品の種類や利用シーンで分かれることになります。例えば新商品の入れ替え直前であれば割安な価格で買える一方SNSなどで人気が高まった商品を安く手に入れ入手することが一段と難しくなる可能性がでてきますし、同じ商品でも時間帯で価格が異なり不公平感が生じることも想定される消費者はタイミングを見極め賢く購入する必要がでてくるわけです。
 
実店舗側は価格戦略の複雑さが増す従来のように値引きで集客するといった単純なマーケティングは通用しなくなり消費者に魅力を感じてもらいながら一方で利益にもプラスになる方策のダイナミックプライシングが必要となってきますが、この実店舗の「電子棚札」を導入したダイナミックプライシングを脅威に感じなければいけないのはなによりも、ネットショップであることを認識しておかなければなりません。
 
ネットで価格を見たら実店舗のほうが安いから、実店舗で買う顧客が増えることになり、ネットショップは同業他社のネットショップだけでなく、実店舗も競合になることになるわけです。

ここで、ネットショップはさらなる値引き合戦で対応するのではなく、実店舗で展開されるダイナミックプライシングに対して、ネットでの付加価値を消費者に伝え対抗することが肝要です。
 

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