トンゼミ
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ネットショップ経営戦略支援コンサルタント トンゼミCEO 一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会 理事

第140回 現状維持バイアス払拭のススメ

一般的な「経済学」は、「完璧な人間」の行動モデルを追求していて、そこでいうところの「完璧な人間」とは損得勘定のような経済的な合理性のみによって個人主義的に行動するような人間でということになります。
そして、経済学では「その個人や組織は、少しでも多くの利益を得るために 『誰もが同じように』 合理的な意思決定をする」ことを前提としています。

しかし、世の中では合理的経済的のみで行動はしていません。
例えば、「定価10,000円のところ本日限り5,000円で販売です。」とか、富士山山頂にある水の自動販売機で500円という価格がついていたとしても、いずれもなんだか買ってしまうという行動を起こしたりするものです。このような、一見すると合理的ではない人間の行動について、心理学と経済学を組み合わせて「現実的な経済活動について研究を行う」という目的が行動経済学の原点です。

 

この行動経済学については、世の中で活かせるマーケティング手法がたくさんありますのでご紹介をさせて頂きます。

【現状維持バイアス】
たとえば新しい製品などを提示され、それが非常に優れていることを示されたとしても、それをすぐに取り入れることに抵抗を感じることがあります。
テレビCMを見て、今まで使っていたサプリメントを別のサプリメントに変更をするといった考えが浮かんだ場合、変化することで「何か得られるかもしれない」という期待よりも、「何か失うかもしれない」という不安のほうが大きく、現状を維持しようとするバイアスがかかります。サプリメントの場合も、価格や飲みやすさが良くても「今まで維持できていた何もおこらかった健康という維持ができなくなってしまうかも」などと考えてしまったかもしれません。

このように、選択肢にメリットとデメリットが共に存在するとき、リスクや失敗を恐れて非合理的な選択をすることを現状維持バイアスといいます。
人は、客観的に見て合理的であったとしても、損失回避や不安など主観的な要因によって選択できないことがあります。

【現状維持バイアスのマーケティングへの活用事例】
ウエブショップや実店舗で、各個人に「行きつけの店」があって、それ以外の店をほとんど利用しない場合などのパターンでは現状維持バイアスが働いていると言えます。
「いつも利用している店は信用できる」「いつもの店でなんら問題は起きていない」「他の店に行って失敗したら気分が悪い」といった信用で、現状維持バイアスが働いている場合もあります。
「こっちの店の方、なかなかいいよ」と他人から明確な理由を添えて説明されたとしても、「今とくに問題を感じていないから」ということを理由に普段と違う店を利用する事に何となく心理的な抵抗を感じる事があることがあります。

現状維持バイアスをマーケティングに活かすには、この考え方を払拭することがポイントです。

 

テレビショッピングで「万が一商品にご満足頂けなかった場合は、30日以内に返品頂ければご使用後でも全額返金致します!」といった内容の保証を見かけます。
こういった返金保証は、現状維持から離れたとしても、万一の保証がついているので、いつでも現状維持に戻れるという保険意識が発生します。
店舗側としては「全額返金保証」なんてことをしたら大赤字になってしまうなんて思ったりするものですが、むしろ、返金保証を付けて「購入者側のリスクを可能な限り減らす」事によって、結果的にはより大きな利益が期待できますので、「返金保証を付けたほうがよかった」ということになります。

 


事実、各店舗が全額返金保証をする商品というのは、もとより自信の商品であるわけですから、どの店でも実際の全額返金保証発生率は0%に極めて近い数字になっています。
これにより「一度自分のものになったら手放しにくくなる」という次のステージの現状維持バイアスが働くことになりますので現状維持バイアス効果を払拭して「とにかく一度商品を所有してもらう」という事が重要になってきます。一度その商品を手元に置いてもらう事さえできれば、その商品を手放す事に対して抵抗感を覚えてくれる可能性がある為、「お試し無料」などのまずはレールに乗せるというマーケティングも重要であるということが言えるわけです。

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