第107回 ヒット商品名に見る半濁音の法則
「ペンパイナッポーアッポーペン」の動画で大ブレイクし、YouTubeでは2500万回再生(2016年10月7日現在)を突破したピコ太郎さん。
日本国内だけでなく、海外でもかなり話題になっています。
ピコ太郎さんは、古坂大魔王さんという、かつてお笑いトリオ「底抜けAIR-LINE」の一員として活動していたそうですが、解散後はお笑い芸人以外にもアーティスト、DJとしても活動しておられるそうです。
今回大ブレイクしている「ペンパイナッポーアッポーペン」
アイハブアペ~ン
アイハブアパインアッポー
アー!パイナポーペンー!
アポーペ~ン!パイナポーペンー!
ペンパイナッポーアッポーペン!
ペンとリンゴ、パイナップルを合体させる意味不明さが中毒性を増しているようですが、ブームの裏には後付けになるものの
マーケティング界でかねてより言われている「半濁音の法則」が起因しているように思われます。
商品を開発する際に「ぱぴぷぺぽがつく言葉ヒットしやすい!」という傾向・・・
グリコさんのヒット商品で見られるようなポッキー、プリッツ、カプリコ
音数が5音以下で韻を踏んで濁音・半濁音が1音はついていること
濁音や半濁音のないネーミングは音のひっかかりがないため人の印象に残りにくいと言われています。
今一度ヒットしているものをカテゴリーごとに分けてみると
商品名では、「アポロ」「ポポロン」「パピコ」
テレビ番組では、「ポンキッキ」「ピッコロ」「ポロリ」
キャラクターで「アンパンマン」「プーさん」「ガチャピン」
ギャグでは、小島よしおさんのギャグ「オッパッピー」
鼠先輩の「ぽぽぽぽぽぽ~ぽ」
そして
トレンディエンジェル斎藤さんの「ペッペッペー」
町名では京都の「先斗町(ポント町)」
芸名では、きゃりーぱみゅぱみゅさんなどなど
かつては「パラパラ」という踊りが大ブームにもなりました。
総じて
「パ行」は子供に好かれる音なので、上述のようにポリンキーだとかポッキーなどのお菓子や、ポンキッキーズなどの子供番組のネーミングに使われていることが多いようで、かつ、破裂音は、消費者に明るいイメージを与える効果があると言われています。
人間は、生まれつき、ミラーニューロンと呼ばれる自ら行動する時と、他の個体が行動するのを見ている状態の、両方で活動電位を発生させる神経細胞によって他の個体の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように鏡のような反応をすることが研究で明らかになっています。
韻を踏んで半濁音が入ったネーミングは、心地よく明るいイメージを脳裏に写し取り、自らのそれのように感じとる能力がある。
このため、発音して気持ちいいことばは、聞いても気持ちいいことばなのだそうです。
少年少女期歳の言語脳完成期を超えると、文字面を見ただけでも、聞いたときと同じ脳細胞が活性化するため、「発音して気持ちいい」は、「見ても気持ちいい」となり、今回のペンパイナッポーアッポーペンのヒットが科学的に裏付けられたことになるのかと考えれます。
商品名などを考える際に、参考になさってみてください。